太平洋セメが小動き、クレディスイスは低調な内需の影響を受けるとの見方

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太平洋セメント<5233>が小動き。クレディ・スイス証券では28日付で、投資判断を「アウトパフォーム」(強気)から「ニュートラル」(中立)に、目標株価を500円から320円にそれぞれ引き下げている。

 2月のセメント月次販売実績を踏まえて、16年3月期の同社国内セメント販売量を前期比8.2%減(従来5.2%減、内需全体は6.4%減を想定)、17年3月期を同4%減(同2.5%増、同3%減)に引き下げている。この結果、連結営業利益予想について、16年3月期591億円(前期比9.6%減、従来641億円、会社側計画は600億円)、17年3月期626億円(従来725億円)、18年3月期681億円(同743億円)に下方修正している。

 同社の国内セメント事業の限界利益率は他社よりも高いなかで、販売数量の伸びが全体平均を下回っていることから、低調な内需の影響を大きく受けると考えているという。17年3月期は、海外事業の収益改善が見込まれるものの、アメリカでは修繕費用の上ブレや、昨年買収したカリフォルニアセメント事業資産の収益寄与下ブレ、中国では市場の回復遅れなどのリスクがあると指摘。原燃料調達価格下落効果は大きく発現すると考えるものの、為替影響もほぼ中立であることを考えると、17年3月期の会社側計画はコンセンサスを下回るリスクがあると考えるとコメントしている。

 29日の終値は、基準年比変わらずの261円。

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