「米株横ばい、循環株売りをデフェンシブ銘柄買いが吸収」

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21日の米国株式市場はほぼ横ばいで終了した。このところの上昇を主導してきた景気循環株が売られたものの、通信やヘルスケアなどのディフェンシブ銘柄に買いが入った。

ウェドブッシュ・エクイティ・マネジメントのスティーブン・マソッカ最高投資責任者(CIO)は「ここにきて市場参加者はバリュエーションを心配し始めたようだ。過去数週間の大幅上昇を経て、株価は悪材料に反応しやすくなっている」と話した。

米連邦準備理事会(FRB)が今年予想される利上げの回数を2回に引き下げるなど、各国の中央銀行は最近、成長の下支えと国際金融市場の混乱の沈静化に動いている。

USバンク・ウェルス・マネジメントのトラディショナルインベストメント部門の責任者、リサ・コップ氏は、米国経済は緩やな回復を続ける可能性があるが、市場は今後数週間に発表される欧州や中国の指標のネガティブサプライズに反応するだろうとの見方を示した。

カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX.N)は7.4%高。会計上の問題を一掃し、事業を維持するための試みとして最高経営責任者(CEO)が退任し、米著名投資家ビル・アックマン氏を取締役に加えると発表したことが好感された。

小型で低価格のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)の新機種を発表したアップル(AAPL.O)は横ばいで終えた。

米塗料メーカーのシャーウィン・ウィリアムズ(SHW.N)は同業のバルスパー(VAL.N)を買収することで合意したことを受け、5.3%安となった。一方、バルスパーは23.1%急騰した。

シェラトンホテルを傘下に置くホテルチェーン大手スターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイド(HOT.N)は4.5%上昇した。金額を上乗せしたマリオット・インターナショナル(MAR.O)による買収案を受け入れたことが材料視された。マリオットの買収案は中国の安邦保険集団の全額現金による提案を上回った。マリオットは1.2%安。

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