デイリーレポートの活用方法について
1. 騰落レシオとは?
市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率から、市場の過熱感を見る指標で、値上がり銘柄数と 値下がり銘柄数が同数の場合は 100%になります。
値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が同数なら、相場も均衡状態と判断できるので、変化の兆しを見る ときには、100% を基準にして、100% より大きいか小さいかで判断します。
一般的には、株式市場が上昇を続けて騰落レシオが 120% を超えてくると、過熱しすぎのサインと 見て、間もなく下落傾向に変わるという兆しになります。
株式市場が下落を続けて騰落レシオが 80% を切り始めると、下げは落ち着いて、間もなく上昇に 変わるという兆しとして使われます。
2. VIX 恐怖指数とは?
シカゴ・オプション取引所が、S&P500 を対象とするオプション取引のボラティリティを元に 算出・公表している指数です。数値が高いほど投資家が相場の先行きに不透明感を持っていると されています。この VIX 指数は投資家心理を示す数値として利用されており、「恐怖指数」とい う別名が付けられています。
恐怖指数は、通常時 10~20 の範囲内で動き、相場の先行きに不安が生じた時に数値が大きく 上昇する特徴があり、過去のチャートを見ると、大きな出来事が起きた後は大きく上昇している ことが分かります。
VIX 指数と過去の出来事
発生年月 | 出来事 | VIX 指数 |
---|---|---|
1997年10月 | アジア通貨危機 | 38.20 |
1998年8月 | ロシア通貨危機 | 45.74 |
2001年9月 | アメリカ同時多発テロ | 42.74 |
2002年7月 | エンロン不正会計事件 | 45.08 |
2003年3月 | アメリカのイラク侵攻 | 34.64 |
2008年10月 | リーマンショックが起き過去 最高値を記録 |
89.53 |
3. 一目均衡表とは
当社では雲上限と雲下限の数値を記載しております。
雲とは、一目均衡表で先行スパン 1 と先行スパン 2 の間の面積のことを示し、雲のみで相場観が 分かると言われています。
シンプルに「ローソク足が雲を上に抜けると上昇トレンドであり、ローソク足が雲を下に抜けると
下降トレンド」になります。特に雲が薄いところをローソク足が抜けるとトレンドの変わり目です。
逆に雲が厚いところをローソク足が多少抜けても、ブレイクせずに戻ってくることがほとんどです。
つまり、雲は抵抗線を意味します。雲が厚いときは突き抜けることが困難であり、ぶつかっても戻
ってきやすいのです。
このように「薄めの雲をローソク足が抜けたらトレンドが転換した」と視覚的にわかります。
4. 空売り比率とは
空売り比率は、株式の信用取引において、空売り(信用売り)されたまま、買い戻されていない株数の比率のことをいいます。
一般的に、「空売り比率」が 30%台に乗せてくれば相場はボトムアウト、逆に 20%を下回り、 18~19%程度になるとピークアウトを示唆するとみられています。 空売りは将来必ず買い戻す必要があり、制度信用取引なら 6 カ月以内という期限付きです。 このため、「空売り比率」が大きいということは、今後、ショートカバー(空売りの買戻し)が 入りやすく相場が上昇し易いということを意味しています。
5. 日経平均乖離率とは
日経平均乖離率とは、移動平均線の動き方の習性を利用してトレンドの反転を見極める指標で、現在の価格が移動平均線からどれだけ離れているか(乖離しているか)を%表示した線(ライン)です。オシレーター系の指標であるため、逆張り(相場が悪い時に買う、あるいは、相場が良い時
に売ること)的な売買基準として用いられます
。
株価が反転する可能性の高い乖離率は銘柄によって違ってきますが、一般的には移動平均乖離率が プラス 10% 以上となると天井をつける「売りサイン」、マイナス 5% 以下になると底になる「買い サイン」と言われています。
6. NT 倍率とは
NT 倍率は、日経平均を TOPIX で割って計算します。 どんな銘柄をターゲットにして売買しようと着目しているかを、この業界では ” 物色 ( ぶっしょく )” と表現しますが、NT 倍率では、今の市場の物色傾向が、輸出関連株なのか内需関連株なのかが分かります。
NT 倍率が高い⇒TOPIX より日経平均が上がっている⇒市場は輸出関連株やハイテク関連株を物色し ている NT 倍率が低い⇒日経平均より TOPIX が上がっている⇒市場は内需関連株を物色していると見ることができます。
7. RSI とは
RSI とは投資家の心理を把握しようとした指標で、「過去の値動きに対する上昇幅の割合をグラフ化」 したものです。
具体的には、一定期間 ( 一般的に 14 日 ) において上昇した値幅がどのくらいあるのかということを 計算しています。一般的に良く使われる例としては RSI が 20 を割り込んで転換すると買いサイン、 70~80 を上抜いて転換すると売りサインと言われています。
つまり、20% 以下では買いのタイミング、80% 以上は売りのタイミングとなります。